■思い出の作品■ |
印章彫刻の道に入りまして早30年が過ぎました。修行時代から現在も含めまして講習会や競技大会にはほぼ休まず数多くの作品を出品してまいりました。 結果を出せた事もありますが、中々思うようにならない事の方が数多くありました。 このページでは、修行時代からの思い出に残る作品を掲載いたしました。自分の作品だけではなく、その時に印象に残りました作品も掲載させていただきました。 印影の説明や感想につきましては、正解ではなくあくまで印刻師としての私個人の意見でありますので、異なる意見や考え方もある事と思います。 また、文字の形等は文章では説明しにくい部分もありますので、分かりにくい点があるとは思いますがご容赦下さい。 今後も、徐々にでも書き加えて行きたいと思っております。 |
▲目次▲ |
○自分で彫刻した初めての出品作品 |
○初めての入賞作品 |
○悲しかった落選の作品 |
○修行時代最後の作品 |
○独学の不安を感じた作品 |
○完敗だった私の作品 |
○嬉しかった印篆での金賞 |
○試合に勝って技量で負けた私 |
●修行時代● |
五年間の修行期間での「大印展」と「全国印章技術大競技会」での印象に残りました出品作品です。 未熟な作品ではありますが、思い出も深く初心者なりに一生懸命に彫刻していた事を感てとっていただけましたらと思います。 |
★自分で彫刻した初めての出品作品★ | |
第30回大阪府印章技術展覧会 入選作品 彫刻文字 大坂城築城四百年祭 書体 篆書体(印篆) 原寸36㎜角 |
修行に出て2年目の秋に出品したのがこの作品でした。一応篆書体の印篆で出品という事にしましたが、正直なところ、この頃は印篆と小篆の違いを余り認識しておりませんでしたので篆書体で出品というのが正確なところです。 大阪府印章技術展覧会(以下「大印展」=だいいんてん)は、若手技術者の登龍門と呼ばれており、課題違反や文字の間違い等がなければ、大体入選の扱いになります。 入選と落選(選外)の差は、賞状がいただける事と、印譜(いんぷ=本・作品集)には自分の出品作品と名前が掲載されますので出品者にとりましては大きな違いでした。 改めて見ますと、篆書という名の「ゴシック体」にも見えますし、全体に外枠と文字の間が窮屈で息苦しくも感じられます。 文字の形にしても、偏と旁のバランスの悪いところもあり、部分的にこの時はどうしてこの形を選んだのかとの疑問もあります。 当時の私の感覚は、今の私ではわからないところもありますが、贔屓目にみますと文字もきちんと入っており真面目な作品になったのでないかとも思います。 そして何よりも初めて自分で文字を入れ、荒彫りをして、仕上をしましたので、出品出来た事に喜びが感じられました。 |
■名工の作品・垣鍔先生■ | |
第30回大阪府印章技術展覧会 垣鍔先生彫刻作品 彫刻文字 大坂城築城四百年祭 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
第30回大印展審査員の垣鍔先生の賛助出品作品です。私の修行時代の先生です。 小川先生の作品とは雰囲気が異なりますが、素晴らしい作品ということには変わりはありません。太枠で彫刻されておられますが、細枠でありましても評価は同じです。 この作品を初めて拝見した時には何も感じませんでした。何故かと申し上げましたら修行二年目の私には、篆書という書体をほとんど理解出来ていなかったせいだと思われます。 今改めて拝見いたしましても、文字の結体・配分・構成等は元より全てにおいて手本となるべき作品ではないかと思います。 その頃の私にこの作品の良さが理解出来ておりましたら、今の私はもっと上の印刻師になれていたのではないかと思います。 当時の先生は今の私と同じくらいの年齢で現役パリパリの技術者でした。穏やかで印章に関するほとんど全てに精通されておられました。 今の私ですか?。私なりに勉強はしてまいりましたが、残念ながらとてもとても先生の域には達しておりません。 |
★初めての入賞作品★ | |
第31回大阪府印章技術展覧会 銅賞受賞作品 彫刻文字 核廃絶地球浄化運動 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
修行に出て3年目の秋にして、初めて入賞したのがこの作品でした。とにかく嬉しかったことを記憶しております。 3年目位になりますと、刀法はあくまである程度ではありますが自分で出来るようになっておりました。 篆書体の小篆での出品は初めてでありましたので、全体の構成や調和、細部の工夫などを考える力はありませんでした。とにかく辞書を良く見て忠実に文字を書き入れまして彫刻致しました。 改めて見ますと、部分的に良い所と至らない所が混ざっていて、基本的な「さんずい」の形や「しんにょう」の形。「動」の旁の「力」の形等、小さな欠点が色々とあります。 細かいところをもう一工夫出来る実力がありましたら、もっと良い作品になったのではないかとも思います。 初めての小篆での入賞でありましたので、少し自信(?)のようなものが芽生えてきたような思い出があります。 (注)外側の二重枠は「子持ち枠」と呼ばれております。最近は少なくなりました。 |
■名工の作品・小川先生■ | |
第4回全国印章技術大競技会 小川先生彫刻作品 彫刻文字 観光都市福岡文化財協会印 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
約30年前ではありますが、私が初めて拝見いたしました全国印章技術大競技会審査員の小川先生の賛助出品作品です。 当時の若い私はこの作品の素晴らしさには感動いたしました。 この頃の私は、小篆のことを余り理解していたとは言えませんが、なんとなく感じましたのは全体の整いと文字の形の美しさ。 そして、何より魅了されましたのは、正確な刀法に裏打ちされた線の表現の美しさ。一見矛盾しておりますが、力強くて繊細で流れるように柔らかく良い印象しか浮かびません。 手仕事に「完璧」という言葉は存在しないと思いますが、「完璧」に限りなく近い作品だと思いました。今、拝見しましても思いは同じです。 この作品に出会えまして小篆が好きになり、当時は下手ながらも先生の作品のような線質が出ますようにと真似をして彫刻しておりましたが、思うようには出来ませんでした。 私が今まで観させていただきました多くの印影の中でも、最も影響を受け最も好きな作品の中の一つです。この作品のレベルには中々到達出来ませんが、今でも小篆の手本とさせていただいております。 |
★悲しかった落選の作品★ | |
第5回全国印章技術大競技会 落選作品 彫刻文字 東北伝統民芸品保存展示館 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
修行に出て4年目。初めて全国印章技術大競技会に出品した篆書体の小篆の作品です。 東西二つの全国展。大阪府印章業協同組合主催の大阪府印章技術展覧会が「大印展」と呼ばれておりましたので、東京に本部がある全日本印章業組合連合会主催の全国印章技術大競技会を「東印=とういん」と呼んでおりました。 この時は、前年度の「大印展」で初入賞を果たしましたので、少し自信のようなものがありましたが結果は残念ながら落選(選外)でした。 入選と落選との差は大きく、賞状もなく出品した記念にいただきました印譜に、自分の名前も作品も載っておりませんので暫らくは見る気もおきませんでした。 篆書体では一つの文字に複数の形があるのですが、印影からは部分的に文字の形の選択を間違えたのではないかと思うところもあり、一文字一文字に小さな欠点も多く見つけられます。 自分の作品でありますので、どうしても贔屓目になり落選するほどの悪い作品だとは思えなかったのですが、当時は錚々たる印刻師が多くおられましたので、実力不足を受け入れざるをえないと思いました。 |
★修行時代最後の作品★ | |
第33回大阪府印章技術展覧会 入選作品 彫刻文字 本四架橋淡路鳴門開通 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
修行に出て5年目の秋。修行期間を締めくくる最後の「大印展」でした。前回、前々回と「大印展」では銅賞を続けていただいており好調ではありました。 この時は、小川先生の第4回全国印章技術大競技会の作品を参考に自分なりに研究をしたつもりで彫刻して出品いたしました。 当時の私の目には、先生の作品の感じも出ており自分でも良く出来たのではないかと思っておりましたが結果は末席の入選でした。 部分的にはそれらしき雰囲気の個所も無いことはないのですが、良く見ますと起筆・収筆も不安定で至らないところも多く似ても似つかわない未熟な作品でした。 修行最後の年に順位を下げまして「下手になったのでは?」と言われ、修行の成果を持って故郷の山口に帰るつもりでありましたのに、ひどくキズついた思い出があります。 |
■名工の作品・二階堂先生■ | |
大阪府印章技術展覧会 二階堂先生出品作品 篆書体(小篆)原寸50㎜角 |
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芳草雨為(春)夢寒 (春)光都在五雲學(学) 筆墨生涯獨(独)善身 平(明)送客楚山孤 秋風蕭爽天気涼 日落長沙秋色遠 身在寒煙気點(点)露 美景的執術再見 |
西の名工、二階堂先生の大阪府印章技術展覧会での賛助出品作品です。 修行時代に初めて拝見したときには、余りの凄まじい刀の切れ味に「ゾクッ」とするような寒気を感じました。 ページの印影は拡大しておりますので分かりにくいとは思いますが、小さい文字で細目の線では文字や線が弱く感じられるものですが、むしろ強さや鋭さを感じさせられます。 もし文字の形というものを線が表現していなければ、全ての曲線も「ピンッ」とはじけて直線になるのではないかと思える程の切れ味と弾力性のある線質です。 先生の「 刀法」は天性のものか、あるいは努力の賜物なのかは分かりませんが、おそらく両方が重なって完成された技術だと思います。 当時の「のびしろ」の沢山あった若い私でも、「このレベルは一生無理だ」とあきらめてしまいまして先生の作品を参考にはしませんでした。 いや、正直に申し上げますと先生の高すぎるレベルの作品に圧倒されて参考にすら出来なかったと言うのが本当のところだと思います。 |
●修行期間終了● |
長いと思っておりました五年間の修行期間をなんとか無事に勤めあげまして故郷の山口に帰りました。 修行時代は、自分で考えて出品して来たと言いましても、他の方の作品を見て参考にすることも、先生や諸先輩からの作品についてのアドバイスをいただくことも出来ました。 修行期間が終わり、何から何まで一人で考え勉強して行くしかありませんでしたので、この時からが本当の修行であったような気がいたしまず。 |
★独学の不安を感じた作品★ | |
第34回大阪府印章技術展覧会 入選作品 彫刻文字 明石海峡大橋起工式印 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜丸 |
修行期間があけて最初の秋の「大印展」。これからは独力で文字の形や組立てを考え彫刻して行かなければなりません。 この頃になりますと、大体ではありますが刀法では自分が思うような感じに彫刻出来るようになっておりましたので少しは自信がありました。 しかし、上位入賞を願い腕によりをかけてでの出品ではありましたが、実力が及ばず残念ながらまたまた末席の入選でした。 昨年度の作品に比べ良くなったところは、刀法の上達がみられます。線質も安定してきて、刀の切れも中々良かったのではないかと思います。 ただ、文字の選択を間違えたと思われる個所が気になります。小篆での作品でありましたので「式」の形。「起」の旁の「己」の形など他の文字との釣り合いが今ひとつシックリこない感じです。 また、「石」や「大」、「工」の形等も、もう一工夫出来れば良かったのではないかとも思います。 彫刻技術では頭の中の文字が大体表現出来るようになりましても、肝腎の頭の中の知識が足りなくては良い作品には仕上がりません。 独学では中々気付きにくいのですが、日々の仕事に追われ勉強しているつもりでも、唯々漠然と文字を書いて彫刻していただけではないかとも思い暗い気持ちになりました。 |
■名工の作品・立川先生■ | |
第38回大阪府印章技術展覧会 立川先生彫刻作品 彫刻文字 東欧諸国問題研究会 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
★完敗だった私の作品★ | |
第38回大阪府印章技術展覧会 銀賞受賞作品 彫刻文字 東欧諸国問題研究会 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
上の作品は、第38回大印展での立川先生の金賞受賞作品。下は私の彫刻したもので銀賞の一席の作品です。 先生の作品はいつも安定して素晴らしく、特に文字構成のセンスの良さを毎回感じておりました。 この作品の難しい個所は色々とありますが、特に「東」と「欧」の文字の構成には苦労いたしました。 今回は、「東」の右下の縦線と「欧」の旁の「欠」の右上の線が普通に配置しますと真正面からぶつかりますので文字の形を崩さないように工夫しながら整えなけれはなりません。 当時の私は、「欧」の「欠」の起筆の部分を少し左斜めの曲線にして「東」の右下の縦線をかわしたようですがその部分の組立てには苦労いたしました。 先生の作品は、文字の形が美しいままで「欧」の「欠」の頭の部分の3本のナナメの線を上から長さを短中長として中心に配置して、「東」の右下の縦線に真正面からぶつからない様に工夫され整い良くまとめあげておられます。 言うは易しですが、実際に「欧」の「欠」の上部のようにナナメの線のある個所は文字の形を崩さずに上手く整えるのが難しく、他の方の作品も観ましたが先生の作品ほどバランス良く構成されてあるものは見当たりませんでした。 普通は金賞と銀賞の一席の作品を比較しますと、全体的には劣ってはいましても部分的には少しは銀賞の方の良い個所もあるようなものですが、この時の作品に限りましては完敗で少しも勝っているところが見つけられませんでした。 当時より少しは成長した今の自分の目で改めて見ましても、残念ながら私の作品の方に優れている個所は見当たりません。 もし部分的にでも私の作品の方に優れていると思われる個所が一つでも見つかりましたら、内緒でも良いですので一言お知らせいただけましたらと思います。(笑) |
★嬉しかった印篆での金賞★ | |
第9回全国印章技術大競技会(木口実印の部) 金 賞 香川県職業能力開発協会長賞受賞作品 彫刻文字 『板垣退助』 書体・篆書体(印篆) |
この道に入りまして十年を越えた頃の出品作品です。この頃は技術以前に意欲と向上心が充実していたように思います。 競技大会は、今も昔も「小篆風」での出品が多いのですが、この時には「印篆調」でも整いが良いのではないかとも思い彫刻し出品いたしました。 篆書体の「印篆」と書きましても分かりにくいとは思いますが、お札の表(千円札等の人物が描かれている方)に押印されている印影と同じ書体です。お札の印章は「総裁之印」と印刷されております。 ここでは小篆とは書にも印章にも使用される筆意のある曲線的な線質の篆書体。印篆とは印章に纏まりよく納まるように作られた直線的な線質の篆書体と理解していただけましたらと思います。 ただ直線的とは書きましたが、縦縦横横のゴシックではなく緩やかではありますが微妙な曲線的な線でもあります。 改めて見ますと、少し修正したい箇所はありますが、文字の形も良く全体的には過不足もなく整い良く出来たのではないかと思います。 実印部門での最高賞を、多くの「小篆」の作品を押しのけて「印篆」での作品にて受賞出来ました事でいつもとは少し違う喜びもありました。 |
■名工の作品・鈴木先生■ | |
第11回全国印章技術大競技会 鈴木先生彫刻作品 彫刻文字 京都葵祇園時代三大祭 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
上の作品は、第11回全国印章技術大競技会における最高賞、鈴木先生の労働大臣賞受賞作品です。 最近の小篆の作品は上位作の作風が統一されてきた様な感もありますが、先生の作品はひと際独特な光を放ち、当時より高い評価をうけられており同じ印刻師としも羨ましく思っておりました。 鈴木先生の作品の特徴は、文字の形もそうなのですが特に線質が独特で極めて個性的なところです。 全国印章技術大競技会や大印展では、審査の公平を期す為に出品者が誰なのかわからないようにと無記名にて出品し審査されます。 ところが先生の作風は、同じ課題を彫刻された数多くの作品の中でも、印影を観るだけで一目で先生の作品だと分かりますので、無記名の意味がないのではないかと思えるほど個性的です。 印章業の世界でも独自の作風を称する人はみられますが、先生の作品が特に素晴らしいのは、独特でも決して我流ではなく正統で客観的に多くの印刻師からも認められている数少ない作風だと言うところだと思います。 |
■名工の作品・中村先生■ | |
第16回全国印章技術大競技会 中村先生彫刻作品 彫刻文字 環日本海友好促進平和祭印 書体 篆書体(印篆) 原寸36㎜角 |
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第16回全国印章技術大競技会 中村先生彫刻作品 彫刻文字 環日本海友好促進平和祭印 書体 古印体 原寸36㎜角 |
★試合に勝って技量で負けた私★ | |
第16回全国印章技術大競技会 厚生労働大臣賞受賞作品 彫刻文字 環日本海友好促進平和祭印 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
上の作品は、大会の最高賞である厚生労働大臣賞受賞作品です。永い間目標にしていた大臣賞受賞でありますので大変満足しておりました。 大競技会記念の印譜(いんぷ=大会出品者の入賞入選作品集)を見るまでは。 競技大会では同じ課題を彫刻しますので、他の方がどのように工夫して書体や文字の形を選びその文字を整い良く組み立てて作品を作り上げるのか毎回勉強になります。 印譜には多くの入賞された作品(印影)が掲載されております。研究の為に他の出品者の方々の作品を見ていますと、先生の印篆と古印体の作品が目に止まりました。 私の目指す印篆や古印体とは雰囲気が違いますが、先生の両作品は味わいのある素晴らしい作品だと思いました。その様に感じる作品にめぐり合えることはそうはありません。 先生にお会いした事はありませんが、作品を観れば観るほど確実に私より技量が上の優秀な技術者だと思いました。受賞に浮かれていた自分が情けなくなりました。 競技大会の楽しみはこういうところにもあるのかなとも思い、これからも勉強しなければと強く感じさせていただいた作品です。 |
■名工の作品・和田先生■ | |
第20回全国印章技術大競技会 和田先生彫刻作品 木口密刻 彫刻文字 天空海闊 書体 篆書体(小篆) 原寸36㎜角 |
上の作品は、第18回全国印章技術大競技会の木口密刻部門における和田先生の厚生労働大臣賞受賞作品です。 通常の仕事では、これ程までの彫刻技術の精度は必要ないのかも知れませんが、 今現在でここまで正確で精度の高い刀法を駆使できる技術者は余りおられないのではないかと思います。 密刻の作品は、絵柄ばかりが目立つものなのですが、文字の形や整いも良く、絵柄も含め、まさに印章三法である字法・章法・刀法に叶った素晴らしい作品だと思いました。 競技大会の作品だけが技術の全てとは思いませんが、先生の他の実用の作品を拝見しても、文字の知識も深く柔軟多彩で、技術者としての力量の高さを感じさせられました。 優秀な技術者は今までもおられましたが、今現在の現役パリパリの印章技術者としては個人的にはおそらく総合的な実力ナンバーワンの先生ではないかと思いました。 |
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